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執筆者の写真カーボンプランニング

令和5年度 国交省「既存建築物省エネ化推進事業」3分の1補助金について「採択のポイント」は?

更新日:8月14日

比較的に採択率の高い国土交通省の補助事業「既存建築物省エネ化推進事業」ですが、令和5年度の1回目公募が開始されました。

改めて採択し易いポイントを押さえておきたいところです。


1回目公募期間:令和5年4月17日(月)~令和5年5月22日(月) ※消印有効



【目次】

    事例2 病院


概要と目的
既存建築物省エネ化推進事業とは
出典:国土交通省住宅局

採択率について

国交省の既存建築物省エネ化推進事業の採択率を27年度から令和4年度1回目まで下表にまとめました。


応募件数

採択件数

採択率

平成27年度

162

81

50%

平成28年度(1回目)

102

94

92%

平成28年度(2回目)

19

18

95%

平成28年度(3回目)

28

27

96%

平成29年度(1回目)

86

81

94%

平成29年度(2回目)

83

80

96%

平成29年度(3回目)

68

67

99%

平成30年度

107

38

36%

令和元年度(1回目)

94

38

40%

令和元年度(2回目)

60

43

72%

令和2年度(1回目)

35

35

100%

令和2年度(2回目)

13

12

92%

令和2年度(3回目)

7

7

100%

令和3年度(1回目)

68

64

94%

令和3年度(2回目)

24

23

96%

令和3年度(3回目)

9

3

33%

令和4年度(1回目)

​83

44

53%

令和4年度(2回目)

46

32

70%

ー 傾向 ー

採択率が比較的高い

応募件数が少ない

≪事業要件≫

  1. 躯体(外皮)の省エネ改修を行うものであること。 ただし、高機能換気設備を設置する場合は、躯体改修は必須としません(R4年度からの変更点)。

  2. 建物全体におけるエネルギー消費量が、改修前と比較して 20%以上の省エネ効果が見込まれる改修工事を実施するものであること。(ただし、躯体(外皮)の改修面積割合が 20%を超える場合は、15%以上の省エネ効果とする)。

  3. 改修後に一定の省エネルギー性能に関する基準を満たすこと。

  4. 改修後の建築物の省エネルギー性能を表示すること。

  5. エネルギー使用量の実態を把握する計測を行い、継続的なエネルギー管理、省エネルギー活動に取り組むものであること。

  6. 事業費の合計が500万円以上であること。

  7. 採択年度中に着手し、原則として当該年度に事業を完了するものであること。

  8. 改修後に耐震性を有すること。

  9. 事例集等への情報提供に協力すること。


上記1.~9.を満たす必要があり、そのうち、1.2.4.は他の省エネ改修補助事業にはない要件といえます。


ただし、この要件をクリアさえすれば、採択率が高く、複数施設の同時申請が可能で、1/3の補助率である本事業は魅力的です



採択のポイント

・設備更新の省エネ率が15%以上、20%未満である場合

躯体(外皮)の改修を比較的安価に実施する手段としは、日射調整フィルム施工があります。建物全体の躯体(外皮)面積に対して改修割合として20%以上導入することで上記「事業要件の2.」を満たすことが可能になります。

ただし、日射調整フィルム施工による省エネ率の積み増し効果は改修面積割合に関係なく「みなし省エネ率0.1%」のみのカウントとなります。

また、ある一定の仕様を満たす日射調整フィルムのみが本事業の対象となり、仕様を満たさないフィルムに対しては補助対象にも改修割合として算入させることもできませんので注意が必要です。

(補助要件を満たす日射調整フィルムの一例↓)


・設備更新による省エネ率が15%に満たない場合

躯体(外皮)の改修により省エネ率を稼ぐ必要がある場合、遮熱フィルム施工では上記の通りみなし省エネ率は0.1%しかカウントされません。そのような場合は、コストは遮熱フィルム施工より上がってしまいますが、二重サッシや複層ガラスの施工を行うことで省エネ率の積み増しが可能です。

 二重サッシや複層ガラス施工など開口部の断熱強化の場合、「みなし省エネ率15.0%」がカウントされます(ただし延床面積5,000㎡未満の建物の場合です)。

仮に、開口部(建物の外部に面している窓やドアなどのこと)の半分(50%)に二重サッシを施工した場合、50%×15.0%=7.5%の省エネ率積み増しが可能となります。


ポイントは「改修割合」に比例して省エネ率がカウントされるということです。

つまり、開口部が少ない建物の方が、より少ないコスト(二重サッシ施工面積)で省エネ率が積み増しできるということです。

(例)

開口部100㎡の建物: 二重サッシ施工50㎡ ⇒省エネ率7.5%積み増し

開口部50㎡の建物 : 二重サッシ施工25㎡ ⇒省エネ率7.5%積み増し


(注意)延床面積5,000㎡以上の建物の場合「みなし省エネ率は3.0%」となります。



採択事例

事例(1)

・対象施設

 施設:ビジネスホテル

 所在地:神奈川県

 延床面積:3,775㎡

 築年数:23年

 一次エネルギー:6,906【GJ】


・事業規模

 補助率:1/3

 補助額:1,400万円

 総事業費:6,186万円


・改修内容

設備改修:空調熱源更新・ポンプインバータ制御化・照明LED化・給湯器更新

外皮改修:二重サッシ施工・窓ガラス遮熱フィルム施工


・省エネ率:26.0%

・躯体の改修割合:63.8%(遮熱フィルム26.1%・二重サッシ施工37.7%)




事例(2)

・対象施設

 施設:病院

 所在地:愛知県

 延床面積:5,547㎡

 築年数:31年

 一次エネルギー:11,049【GJ】


・事業規模

 補助率:1/3

 補助額:3,472万円

 総事業費:1億1,060万円


・改修内容

設備改修:空調熱源更新・ポンプインバータ制御化・照明LED化

外皮改修:窓ガラス遮熱フィルム施工


・省エネ率:20.9%

・躯体の改修割合:44.3%



 

当補助金の申請代行及びそれ以外の補助金事業や不明点、相談などについても、下記までお気軽にお問い合わせください。




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